KUMAUHEI WORKS CAUTION!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! vol.4テキスト版
part3『貼紙紹介・急-インクジェットプリンタ登場!!!!-』
ブックアート作品『注意!-京都貼紙地図-』を紹介するUstreamの
放送内容をテキスト化したものです。
vol.4 では、
作品に使用した貼紙の一部を紹介します。
作品本体の中では、ほとんど語られない
(というか、切り刻まれてめちゃくちゃに
貼り合わされてるのでほとんど何かわからない)
貼紙の内容、使用される素材への考察、
貼紙を書いた人(貼り主)のその時の感情を
勝手に想像、など
たくさん貼紙を紹介する盛りだくさんの内容です。
(part1からpart3までだいたい同じトーンです。)
作品に使用した貼紙の一部を紹介します。
作品本体の中では、ほとんど語られない
(というか、切り刻まれてめちゃくちゃに
貼り合わされてるのでほとんど何かわからない)
貼紙の内容、使用される素材への考察、
貼紙を書いた人(貼り主)のその時の感情を
勝手に想像、など
たくさん貼紙を紹介する盛りだくさんの内容です。
(part1からpart3までだいたい同じトーンです。)
出演
KUMAUHEIWORKS(以下:隈)画面左下
なんしーさん(以下:な)声の出演
隈:これは、
「お願い 手で開けてください」っていう
な:お願いっていう低姿勢がね。
隈:しかも手書きだと
…なんていうか
うーんか細い声で言ってるような気がする。
な:なんか筆ペンみたいなので書いてるからじゃないですか?
隈:そうだと思います。
だから、おばあちゃんが書いたのかもって
勝手に思ってしまうっていう。
な:サイズもちょっと控えめやしね。
背景のこの壁も和紙っぽく見えますからね。
隈:このガラス窓がね。
な:何があったんでしょうね。
隈:これはドアなんですけど、
ドア(や引き戸)に関していうと
ほかにも(筆ペンで)手書きにしてはる人が
いましたね。
なんか。壊れやすい玄関のドアに住んでる人なんですよ。
な:なるほどw
隈:なんか…
な:わからん…
気弱なんや?
隈:きっとね。
あとこれは、区域内にある小学校ですね。
「駐車お断り」って書いてるんですけど、
朝顔ですかねこれ…
な:朝顔じゃないんじゃないですかね。
何かわからないけど
隈:この葉っぱは見覚えがあるんですよね。
小学校の時に…
な:全部上を向いていますよね。
隈:まあ、とりあえずこれ(貼紙)を書いたけど
そのあとに
日比野克彦さんが来られたと思うんです。
な:w来てないよ!
隈:みんなでこういうのやっちゃったから見えなくなってしまった。
な:w
すごいなあ、こんなひっそりと日比野克彦の作品が…
隈:あるんです。
ちなみに同じところに、
「このコンセントは
自然エネルギーで
供給しています。」
っていう。
な:w
ひっそりと主張が…
すごい ウソやんって言いたい。
隈:なんかこういうの嫌なんですよね。
今までの流れを聞いていらっしゃる方はわかると
思うんですけど。
自然エネルギーでやったから偉いみたいな。
そりゃあもちろん代替エネルギーは必要ですよ。
な:だからなんなんという感じですよね。
隈:(繰り返しますが)代替エネルギーは必要なんです。
地道な活動は大事なんですけど…
な:だったらもっと文脈が必要ですよね。
なにをもってそういうふうにしたのか、
だからどうつかってほしい とか。
こんな位置にあるコンセント書いてなんなんでしょうね。
隈:ほとんど見つけられないと思いますよ。
僕は、ものすごく注意深く歩いているので
見つけられるけれど
これが会社的に株式会社エイワット的にあのね…
こういうの貼っとけよっていう話になってるんでしょうね。
悪いことをやられているとは思わないんですけど
な:もちろんですけど
隈:なんか中途半端にこんなとこで言わんといてほしい…
な:うーん何のためのコンセントなのかそもそもよくわからないですからね。
隈:そして、次にいきたいんですけど
これは、読めなくなっているんですけど
おそらく自転車は中に停めてくださいっていうことが
書かれていると思うんですが
さっきの日比野克彦さんの作品と同じだと思うんですけどね。
な:日比野克彦(仮)でしょ。
隈:あの…自転車を誘導することよりも
なにかお知らせのチラシの配ることの方が重要視されてしまったんですね。
な:そうですね。
隈:これは無効化パターンっていうか
貼紙をあった後に別のもので隠してしまう。
貼ったということは、そこで言わなければならないことがあったはずなのにね。
そういうパターンが結構あって。
この2例っていうのはわかりやすい例ですよね。
な:うん。
隈:またマンションのやつが浮上してきましたけど
これも非常にベーシックなやつで
マンションの管理会社がやってて、
なんて言ったらいいんでしょうかね。
仕事として“怒り”をやってるっていうのを表してますね。
これは、なんていうか
仕事でやってて本気では怒ってない感じがしますよね。
ロゴなんか入れちゃってますし
な:言われるから
とりあえずしのがなあかん・・・
隈:ほんまにヤバい人は、
まず、てにおはを間違えるし
ふりがなも間違えるし
ロゴなんて絶対入れないですよね。
な:そうですよね。
隈:飾り枠とかね。
な:せめてもの強気感が「!」で。
隈:全角の「!」でね。
な:一応主張している。
隈:はい。
なんか“四角四面な”怒り方してますよね。
(ルールに従いすぎているという意味ではなく)
けっこう好きな貼紙なんですけど
「不要ビラ専用
護美箱」
っていう。
な:うんうん。
隈:「美を護る箱」と書いて「護美箱」っていう。
な:ああ・・すごいなあ。
隈:これって要するに
本来汚いものとされているものに対して
きれいな漢字を当てるっていうようなことですよね。
例えば、琵琶湖の「葦(アシ)」っていう植物が生えてますけど
あれは生活に非常に役に立つものなので
「葦(悪し)」っていうのじゃなくて
「葦(ヨシ)」っていうとか
そういう感じのセンスを感じるっていうか・・・
な:えー、わかんないっすよ。
元ヤンかもしれないし。
隈:でも意味合いがきれいじゃないですかあ・・
きれいって言うのはきれいにまとまっているという意味で。
な:たしかに。
なんか、でも地方のお土産屋さんとかの匂い。
隈:ああ、地元の名物でダジャレをやっちゃうパターンありますからね。
な:「母恵夢(ポエム)」とかね。
喫茶店とかでもそういうのあるw
隈:でも・・・一周回ってこういうのいいなと思ったんですよ。
オリジナリティもあるなと思ったし。
な:なんかもう愛情が深すぎますよね・・・
貼紙に対して。
隈:他にあんまり見た事がないから
この方が自らあみだされた言葉なんじゃないかなと思ってるんですけど・・・
な:なんか、もしかしたら
元公務員とか先生とかかもしれないよ。
隈:あぁ・・・(落胆)
なんかそうなってくると
嫌ですよね。
な:そうなんや。
隈:やたらとすぐ四字熟語を使ったりとか
漢字の由来を説明しながら、道徳を説いたりとか・・
なんで、こじつけに精神性を引きずられなきゃいけないのかって。
な:うん。
けっこうね・・・
この字使われるみたいですよ。
隈:そうなんや・・・(落胆)
な:検索で、すぐに出てきた。
隈:ググると出てくるんやね(落胆)
なんかファン心理が働いて盲目的になってたわ。
な:たぶんそうですよね。
ああ、でも
みんなけっこう感動してるみたいです。
隈:なるほど。
これは、上手いと。
な:なんか 良い当て字だなみたいな。
品性がある的な。
隈:これがいいなと思ったのは、
すごいひっそりと置かれていたんですよね。
な:いいですね。
隈:そっか、でも他にもいるんだ・・(落胆)
ただそういうのを確認できて良かったですね。
な:wああそうですね。
隈:次にいきます。
これは、髙島屋の裏手っていうか・・
河原町側のちょっと下がったところです。
髙島屋用の駐車場があって
(別の会社がやっているやつです)
いつもチャラそうなガードマンが3人ぐらいいる・・
な:おっちゃんしか見た事ないけど・・・
中華料理屋ありますよね。
隈:そうそう。
そのとなりが、駐車場になってるじゃないですか
屋外の方。
そこにあるんですけど・・
これ、見覚えありますかね。
な:思い出せないな。
隈:これ
「当土地は売却物件ではありません」っていうのが
あったんですけど
なんでこんなん書いてあるんかなと思って
ちょっと調べたんですよ。
これに関しては。
な:wうん。
隈:「髙島屋 駐車場 売却物件」みたいなので
検索すると
なんかちょっとややこしい話だったらしいっていう事が
ニュースサイトとかででてきましたね。
な:なるほどもめたんですね。
所有者がどうのこうのみたいな。
たけ・・某消費者金融のなんかあれか。
隈:たけふふっていうところです。
な:すごい踊ってるやつですよね。
隈:そうですそうです。
な:へええ。ややこしいな。
隈:そういうのがあったりするんですよね。
けっこうどうでもいいような感じしますが。
な:でもこう・・・
激しくじゃなくて
たんたんとしてて、しかもひっそりとしてますね。
隈:まあ、あの・・
火葬場反対とか土地に対してこういうのを貼ったりするのは
あるから、それに近いかなと。
こういう土地の所有をめぐったりするのは
個人的には、あんまりそそられないっていうか。
な:うんうん。
隈:さっきの「せっかくだからデモ」じゃないですけど
その人たちが掲げているプラカードみたいなもんじゃないかなと。
だから、あんまり興味ないのかなと思って。
な:うんうん。
隈:いままで、あんまり出てこなかったんですけど
一番街で見かけるのは駐車厳禁っていうやつなんですけど
ここの人はなんかちょっと
貼紙がちょっとおしゃれ()なんですよ。
な:ちょっとはみ出てますね。
隈:トリミングしてるんです。
な:はい。
隈:なぜトリミングしたのかと思いますが・・・
な:ちょっとデザインとかかじったんちゃいます?
隈:ちなみに、エシャロンの別の駐車厳禁は
裏面がステンドグラス調になっているという。
な:なんすかね。余ってたんですかね。
隈:これは、だって
裏に回らないと誰も気づかないじゃないですか。
な:なんなんやろう。
隈:ちなみに、表側はこうなってます。
トリミングしてて。
な:うん。
隈:これ裏に回るとステンドグラス調が出てくる。
な:うーん・・・
でも、素直にすごいおしゃれ!とは言えないですよね。
隈:そうですよね。もちろんw
な:これなんか都合の悪い事
隠したかったんですかね。後ろ。
隈:ちなみにここをよく見ると
「お車でご来店の時には、
向かい側の佐伯クリニックの駐車場は
ご利用にならないでください。
トラブルの元になります。」って書いてあって
一階が店舗になってるんですけど
そこの客が
前の病院に停めちゃってトラブルになってるとか
そういうことなんでしょうね。
な:(トリミングの件)
単にたりなくてはみ出ちゃっただけなのかな。
文字を先に配置しちゃって。
隈:いやあ、なんなんでしょうね。
な:おしゃれ?うーーんって漢字ですよね。
隈:もちろんおしゃれ()ですけど。
な:欠落感がすごいある。
隈:まあ、あまり見ない例ですよね。
次は、たまたまその時期に工事してた場所で
「11時30分から1時まで搬出入禁止
(前後5分についても同様)」っていうのがあって
な:うん・・・
隈:だから
「11時25分から1時5分まで搬出入禁止」で
いいんじゃないかと。
な:そうですよね。
「搬出入」って言いづらいですよね。
隈:一般的には「搬入出」って言うような気がしますけどね。
でも搬出って先書いちゃったんでしょうね。
な:出す方が多いんでしょうかね。
隈:解体中だったのかな・・・。
な:ああ、
隈:(この時間は)たぶんお昼休みなんだと思いますけど
1時間30分もお昼休みあるのが
ちょっと変な感じしますけど。
な:これは、内部向けってことなんでしょうね。
隈:そうですね。内部向けのものが
外に露出してたものなんですけど、
通常こういうところまで
今回の作品の中では踏み込まないですが
まあ、露出していたので撮らざるをえないというか。
な:なるほど。
隈:ほんというとね。
工場の中まで入っていったら
すごい面白い事になってるのは
わかってるんですよ。
な:そこまでいくと収拾が・・・・
隈:中央市場とか外から見ながら
いいのがあるなっていうのは思ってるんですけどね。
な:でもすごい目で見られそうですよね。
お前なんやねんっていう。
隈:一回入って写真撮ってた事ありますよ。
(この作品のプロット版では、中央市場を含む
区域で撮影をしていました。)
な:ほんとですか。
怒られなかったですか?
隈:怒られはしなかったですね。
なんというか、ささっとやるんで。
な:ああ、私はなんか
昔商店街ですごいいい雰囲気の洋裁をやってる
おばちゃんがいて
写真撮らせてもらえませんか?って声をかけたら
なんでやねん嫌やってめっちゃ怒られた事ありますよ。
隈:w
顔が写るのが嫌だったんじゃないですか?
な:そういうことだったんかな・・
隈:まあね。
顔が写るのを嫌がる人はいますよね。
どんどん写りにいく人もいますけど。
な:まあたしかに。
隈:滋賀県の朽木村の調査してたことがありますけど
ほんとに顔が写るのは嫌がられますからね。
な:朽木まで行ったんですね。
隈:いや、あの
この作品がらみじゃなくて
別の活動でですけど。
な:なるほど、学舎のあたりですね。
(京都精華大学は朽木に学舎を持っています)
隈:次にいきます。
「駐車ご遠慮ください」というのがありまして・・・
ちょっとぶれてるんですけどね。
ぶれてるのは、だいたい
明け方にやってたんですよ。
あんまり人通りがない時間帯というか。
だからあたりが暗いので
ちょっとぶれている写真もあるんですよ。
でも、まあそれは目をつぶっていただくとして
な:はい。
隈:なぜこんなどこにでもありそうな物を
ピックアップしているのかというと・・・
近づくと
ちっちゃい字で
「ありがとうございます」って左下に・・・
な:こわいこわいこわい!
これテプラ?
隈:これは、テプラではない気がしますよね。
な:こんなに字詰まらないしね。
え、こわいこわいこわい!
隈:これ、なんなのかわかんないですけど。
な:こわいっすねこれ。
隈:似たような事例と言えるかどうかはわかりませんが、
コンビニのトイレとかに
「いつもきれいにご使用いただきありがとうございます」
とかそういうのはありますよね。
な:ああ。
隈:それなのかなと。
僕には、そこまでしか想像力が働かないですけど。
な:にしても、控えめすぎるっていう。
隈:謎ですよね。
な :きもちわるい。こわーい。
なんかわかんないですけど、
宗教っぽく感じてしまう。
隈:ああ。
えっと、こないだの林丈二さんも
鳥居を集められているというのを出しましたけど、
ちょっと待ってくださいね。
(資料を取りにいく)
林丈二さんの鳥居・・・
あった。
けっこうこれとかこういうものとかが、
なんで収集対象としての魅力があるかというと
このマークは主に立ち小便を禁止するマークとして
使われています。
つまり、神聖なものだから
おしっこをそこにかけるなと。
そういうメッセージなんですけど
これが形骸化してて
まったく神聖なものとして扱われていないんですね。
な:うんうん。
隈:そういうのを「おざなり鳥居」というふうに
呼んでますけどね。
こういう事例が結構あって
その中の一つですね。
鳥居の絵はどれも結構味わい深いっていうか
正確に書こうとする意思があまりないっていうか
適当にクロスさせといたらいいやろうっていうのが
すごい多いんですよね。
な:うんうん。
隈:それは、もともとの意味から外れてしまったのに
使われているパターンなのかなって。
そういうのがありまして。
次が・・・
ついに来たっていう感じですけど
な:はい。
隈:これが良い・・・っていうか
僕は、これ専門の人になってもいいんじゃないかなって
思ってるんですけど
な:うんうんw
隈:いや・・・
これと虎柄テープの2本軸くらいでもいいかもしれないですけどね。
な:はい。
隈:インクジェットプリンターというのが普及しましたと。
インクジェットプリンターを使って貼紙を書かれる人が
増えてきたんですけれども
インクジェットプリンターっていうのは、
A4サイズのものとかだと
だいたい染料インクが使われていて
染料インクっていうのは、にじんじゃうんですよね。
それを気づかずにこういうものを作って
ラミネートをかけているんだけれど、
水がしみ込んでしまって
・・・たぶんこれね
パンチ穴から水がしみ込んできたと思うんです。
な:絶対そうですよね。
隈:ここからこうなってますけどね。
な:盲点ですよね。
隈:これの解決方法っていうのが実はあって、
あとから出てくると思いますけどね。
な:はいはい。
隈:パンチ穴から水が入ってきてしまってにじんでしまっていると。
これは放置されていますが、
こういうのがすごくいいなと思っていて、
偶然すごくきれいになっているのとかあって
いいんです。
な:はい。
隈:これを見てわかる事は、
たぶん、これはエプソンのプリンターなんだろうなと
推測する事ができるんです、
な:なぜ!?
隈:なぜかというと
キヤノンのプリンターは
黒だけ顔料インクになっている機種(エントリーモデルでも)が
多いんですね。
な:なるほどー!
隈:だから、赤字だけにじんでいるというケースもあります。
な:なるほど。
隈:これは両方にじんでいるんで
エプソンだと思う。
ちなみに、これの支持体となっている紙は
おそらく普通紙
な :そうですね。
隈:いわゆるエプソンでいうところの
スーパーファイン紙だとかフォトマット紙
写真用紙エントリー(光沢)あたりの紙がありますけど
スーパーファイン紙以降になってくると
インクがしみ込みやすく(にじみにくく)なっていうので
多少かけてもあんまりにじまないんですよ。
これ気になって普通紙とスーパーファイン紙とか
フォトマット紙とかに印刷して
水をかけて試してみたんですけど
スーパーファイン紙とかだと
わりと水をかけても結構平気なんですよね。
こんなふうにはならないです。
な :うんうん。
隈:だから、そこらへんにあるもので
つくっちゃうとこういう事になるでっていう。
な:そうですよね。
これが、アスクルなのかどこの紙なのか
わかれば完璧ですね。
隈:完璧ですけどねw
そこまでは至っていないと。
な:いやもう十分ですよ。
隈:ちなみに、ようやく言えるんですが
この背景は毎回変わってますけど
僕の作品の『涙の水平線』の写真を
普通紙に印刷して
水につけて置いておいたものを
スキャニングして拡大して
背景につかっているんです。
な:なるほど。
隈:黄色っぽいのが表面で、紫っぽいのが裏面です。
っていうにじみつながりで背景を全部そうしました。
これ、重要なんだとね。
な :にじみに詳しいな。と
にじみのプロ。
にじみ師?
隈:にじみ師ってなんや・・
な:にじませ師とか。
隈:なんて言ったらいんですかね。
こう・・・知ってたらやらないじゃないですか。
こういうことは
だから、ワードとかで作ったやつは
にじんでる事が多いですよね。
なんか。
それもさっきの看板屋の書いた注意書きで
赤い字だけ消えちゃってるっていうことが
ありましたけどそれに近いのかなと思います。
な:うん。
隈:それの現代版というか
家庭用プリンタ普及以降に現れてきたものなので
いいなと思って。
な:これ一枚でそんな深い思考を巡らせているなんて
作った本人もついぞ知らないと思いますけど。
隈:ちなみにこの人駐車場無内に
犬を連れてきたら罰金10万円もらうぞっていう
むちゃくちゃな事を書いてますけどねw
な:そうですよね。
これ・・でも
「犬の散歩(糞)」って書いてあるから
隈:糞害がダメっていうことですよね。
な:入っただけでだめなのか。糞が嫌なのか。
隈:入ったらそれで、糞をする可能性があるから
可能性から閉ざしていくと。
な:文の切れ目なのに読点って
隈:句読点もだいたいおかしいですけどね。
句読点おかしいの多いですよね。
まあ、
言うまでもないですけど
こういうものは基本的には脅しですから
法律的な根拠はないんですね。
な:そうですね。
隈:それでも書いちゃうっていうのが(おもしろいっていうか)
その脅しから貼紙主の怒りを読み取って
おもしろがるっていう最悪な事をしているわけですがね。
な:まあまあ・・
隈:性格が悪いというか。
な:自分で言うてしまってるやん。
いや、まあまあ。
みんな面白いと思って見ていると思いますよ。
10万円ってなんでしょうね。
結構多いですよね。
あと1万円ってういうのも。
隈:そうですね。
駐車場も10万円が多いですね。
あの僕が見つけた中で
最安が5000円っていうのがあって
な:ひかえめですね。
隈:普通の違法駐車(の罰金)よりも安いっていう・・・
どうしても駐車場がなかったらそこに
停めればいいのかな(っていうレベル)
つぎ、ですね。
これは一応手書きシリーズにしたかったんだと思うんですが
ばらけてしまってまったく残念ですが。
「汚水を流さないで下さい お願い お願い」
っていうの。
な:はい。
隈:「お願い」がかわいいですね。
これどういう状況なのかわかんないんですね。
な:これはなんかあれなんじゃないですかね。
酔っぱらって小便をしたとか
そういうことなんじゃないですかね。
隈:それを汚水って言うのかな・・
な:わかんないですね。
隈:これは、四条通に面している建物のすぐ脇で
縦の通りがなんだったのかぱっとは思い出せないんですけど・・・
な:ていうかこれ、写真見たらだいたいどこの場所だったか
すぐに思い出せるんですか?
隈:思い出せる物もありますけど。
だいたいはいけましたね。
でも、今はぼちぼち忘れてきてます。
な:ああ・・
隈:直後は覚えていたけど。
っていうのは、なんで覚えてるかっていうのは
あとあとの説明にでてきます。
まあ・・・繰り返しているからという事なんですけどね。
な:うんうん。
隈:これ、何でしょうね。
店舗の脇なので
汚水を流す可能性があるとしたらここの
店舗の人なんですよ。
な:そうですよね。
隈:というふうに考えたら
これは誰が貼ったんだろうって
な:確かに・・・
(part4に続きます)
なんしーさん(以下:な)声の出演
隈:これは、
「お願い 手で開けてください」っていう
な:お願いっていう低姿勢がね。
隈:しかも手書きだと
…なんていうか
うーんか細い声で言ってるような気がする。
な:なんか筆ペンみたいなので書いてるからじゃないですか?
隈:そうだと思います。
だから、おばあちゃんが書いたのかもって
勝手に思ってしまうっていう。
な:サイズもちょっと控えめやしね。
背景のこの壁も和紙っぽく見えますからね。
隈:このガラス窓がね。
な:何があったんでしょうね。
隈:これはドアなんですけど、
ドア(や引き戸)に関していうと
ほかにも(筆ペンで)手書きにしてはる人が
いましたね。
なんか。壊れやすい玄関のドアに住んでる人なんですよ。
な:なるほどw
隈:なんか…
な:わからん…
気弱なんや?
隈:きっとね。
あとこれは、区域内にある小学校ですね。
「駐車お断り」って書いてるんですけど、
朝顔ですかねこれ…
な:朝顔じゃないんじゃないですかね。
何かわからないけど
隈:この葉っぱは見覚えがあるんですよね。
小学校の時に…
な:全部上を向いていますよね。
隈:まあ、とりあえずこれ(貼紙)を書いたけど
そのあとに
日比野克彦さんが来られたと思うんです。
な:w来てないよ!
隈:みんなでこういうのやっちゃったから見えなくなってしまった。
な:w
すごいなあ、こんなひっそりと日比野克彦の作品が…
隈:あるんです。
ちなみに同じところに、
「このコンセントは
自然エネルギーで
供給しています。」
っていう。
な:w
ひっそりと主張が…
すごい ウソやんって言いたい。
隈:なんかこういうの嫌なんですよね。
今までの流れを聞いていらっしゃる方はわかると
思うんですけど。
自然エネルギーでやったから偉いみたいな。
そりゃあもちろん代替エネルギーは必要ですよ。
な:だからなんなんという感じですよね。
隈:(繰り返しますが)代替エネルギーは必要なんです。
地道な活動は大事なんですけど…
な:だったらもっと文脈が必要ですよね。
なにをもってそういうふうにしたのか、
だからどうつかってほしい とか。
こんな位置にあるコンセント書いてなんなんでしょうね。
隈:ほとんど見つけられないと思いますよ。
僕は、ものすごく注意深く歩いているので
見つけられるけれど
これが会社的に株式会社エイワット的にあのね…
こういうの貼っとけよっていう話になってるんでしょうね。
悪いことをやられているとは思わないんですけど
な:もちろんですけど
隈:なんか中途半端にこんなとこで言わんといてほしい…
な:うーん何のためのコンセントなのかそもそもよくわからないですからね。
隈:そして、次にいきたいんですけど
これは、読めなくなっているんですけど
おそらく自転車は中に停めてくださいっていうことが
書かれていると思うんですが
さっきの日比野克彦さんの作品と同じだと思うんですけどね。
な:日比野克彦(仮)でしょ。
隈:あの…自転車を誘導することよりも
なにかお知らせのチラシの配ることの方が重要視されてしまったんですね。
な:そうですね。
隈:これは無効化パターンっていうか
貼紙をあった後に別のもので隠してしまう。
貼ったということは、そこで言わなければならないことがあったはずなのにね。
そういうパターンが結構あって。
この2例っていうのはわかりやすい例ですよね。
な:うん。
隈:またマンションのやつが浮上してきましたけど
これも非常にベーシックなやつで
マンションの管理会社がやってて、
なんて言ったらいいんでしょうかね。
仕事として“怒り”をやってるっていうのを表してますね。
これは、なんていうか
仕事でやってて本気では怒ってない感じがしますよね。
ロゴなんか入れちゃってますし
な:言われるから
とりあえずしのがなあかん・・・
隈:ほんまにヤバい人は、
まず、てにおはを間違えるし
ふりがなも間違えるし
ロゴなんて絶対入れないですよね。
な:そうですよね。
隈:飾り枠とかね。
な:せめてもの強気感が「!」で。
隈:全角の「!」でね。
な:一応主張している。
隈:はい。
なんか“四角四面な”怒り方してますよね。
(ルールに従いすぎているという意味ではなく)
けっこう好きな貼紙なんですけど
「不要ビラ専用
護美箱」
っていう。
な:うんうん。
隈:「美を護る箱」と書いて「護美箱」っていう。
な:ああ・・すごいなあ。
隈:これって要するに
本来汚いものとされているものに対して
きれいな漢字を当てるっていうようなことですよね。
例えば、琵琶湖の「葦(アシ)」っていう植物が生えてますけど
あれは生活に非常に役に立つものなので
「葦(悪し)」っていうのじゃなくて
「葦(ヨシ)」っていうとか
そういう感じのセンスを感じるっていうか・・・
な:えー、わかんないっすよ。
元ヤンかもしれないし。
隈:でも意味合いがきれいじゃないですかあ・・
きれいって言うのはきれいにまとまっているという意味で。
な:たしかに。
なんか、でも地方のお土産屋さんとかの匂い。
隈:ああ、地元の名物でダジャレをやっちゃうパターンありますからね。
な:「母恵夢(ポエム)」とかね。
喫茶店とかでもそういうのあるw
隈:でも・・・一周回ってこういうのいいなと思ったんですよ。
オリジナリティもあるなと思ったし。
な:なんかもう愛情が深すぎますよね・・・
貼紙に対して。
隈:他にあんまり見た事がないから
この方が自らあみだされた言葉なんじゃないかなと思ってるんですけど・・・
な:なんか、もしかしたら
元公務員とか先生とかかもしれないよ。
隈:あぁ・・・(落胆)
なんかそうなってくると
嫌ですよね。
な:そうなんや。
隈:やたらとすぐ四字熟語を使ったりとか
漢字の由来を説明しながら、道徳を説いたりとか・・
なんで、こじつけに精神性を引きずられなきゃいけないのかって。
な:うん。
けっこうね・・・
この字使われるみたいですよ。
隈:そうなんや・・・(落胆)
な:検索で、すぐに出てきた。
隈:ググると出てくるんやね(落胆)
なんかファン心理が働いて盲目的になってたわ。
な:たぶんそうですよね。
ああ、でも
みんなけっこう感動してるみたいです。
隈:なるほど。
これは、上手いと。
な:なんか 良い当て字だなみたいな。
品性がある的な。
隈:これがいいなと思ったのは、
すごいひっそりと置かれていたんですよね。
な:いいですね。
隈:そっか、でも他にもいるんだ・・(落胆)
ただそういうのを確認できて良かったですね。
な:wああそうですね。
隈:次にいきます。
これは、髙島屋の裏手っていうか・・
河原町側のちょっと下がったところです。
髙島屋用の駐車場があって
(別の会社がやっているやつです)
いつもチャラそうなガードマンが3人ぐらいいる・・
な:おっちゃんしか見た事ないけど・・・
中華料理屋ありますよね。
隈:そうそう。
そのとなりが、駐車場になってるじゃないですか
屋外の方。
そこにあるんですけど・・
これ、見覚えありますかね。
な:思い出せないな。
隈:これ
「当土地は売却物件ではありません」っていうのが
あったんですけど
なんでこんなん書いてあるんかなと思って
ちょっと調べたんですよ。
これに関しては。
な:wうん。
隈:「髙島屋 駐車場 売却物件」みたいなので
検索すると
なんかちょっとややこしい話だったらしいっていう事が
ニュースサイトとかででてきましたね。
な:なるほどもめたんですね。
所有者がどうのこうのみたいな。
たけ・・某消費者金融のなんかあれか。
隈:たけふふっていうところです。
な:すごい踊ってるやつですよね。
隈:そうですそうです。
な:へええ。ややこしいな。
隈:そういうのがあったりするんですよね。
けっこうどうでもいいような感じしますが。
な:でもこう・・・
激しくじゃなくて
たんたんとしてて、しかもひっそりとしてますね。
隈:まあ、あの・・
火葬場反対とか土地に対してこういうのを貼ったりするのは
あるから、それに近いかなと。
こういう土地の所有をめぐったりするのは
個人的には、あんまりそそられないっていうか。
な:うんうん。
隈:さっきの「せっかくだからデモ」じゃないですけど
その人たちが掲げているプラカードみたいなもんじゃないかなと。
だから、あんまり興味ないのかなと思って。
な:うんうん。
隈:いままで、あんまり出てこなかったんですけど
一番街で見かけるのは駐車厳禁っていうやつなんですけど
ここの人はなんかちょっと
貼紙がちょっとおしゃれ()なんですよ。
な:ちょっとはみ出てますね。
隈:トリミングしてるんです。
な:はい。
隈:なぜトリミングしたのかと思いますが・・・
な:ちょっとデザインとかかじったんちゃいます?
隈:ちなみに、エシャロンの別の駐車厳禁は
裏面がステンドグラス調になっているという。
な:なんすかね。余ってたんですかね。
隈:これは、だって
裏に回らないと誰も気づかないじゃないですか。
な:なんなんやろう。
隈:ちなみに、表側はこうなってます。
トリミングしてて。
な:うん。
隈:これ裏に回るとステンドグラス調が出てくる。
な:うーん・・・
でも、素直にすごいおしゃれ!とは言えないですよね。
隈:そうですよね。もちろんw
な:これなんか都合の悪い事
隠したかったんですかね。後ろ。
隈:ちなみにここをよく見ると
「お車でご来店の時には、
向かい側の佐伯クリニックの駐車場は
ご利用にならないでください。
トラブルの元になります。」って書いてあって
一階が店舗になってるんですけど
そこの客が
前の病院に停めちゃってトラブルになってるとか
そういうことなんでしょうね。
な:(トリミングの件)
単にたりなくてはみ出ちゃっただけなのかな。
文字を先に配置しちゃって。
隈:いやあ、なんなんでしょうね。
な:おしゃれ?うーーんって漢字ですよね。
隈:もちろんおしゃれ()ですけど。
な:欠落感がすごいある。
隈:まあ、あまり見ない例ですよね。
次は、たまたまその時期に工事してた場所で
「11時30分から1時まで搬出入禁止
(前後5分についても同様)」っていうのがあって
な:うん・・・
隈:だから
「11時25分から1時5分まで搬出入禁止」で
いいんじゃないかと。
な:そうですよね。
「搬出入」って言いづらいですよね。
隈:一般的には「搬入出」って言うような気がしますけどね。
でも搬出って先書いちゃったんでしょうね。
な:出す方が多いんでしょうかね。
隈:解体中だったのかな・・・。
な:ああ、
隈:(この時間は)たぶんお昼休みなんだと思いますけど
1時間30分もお昼休みあるのが
ちょっと変な感じしますけど。
な:これは、内部向けってことなんでしょうね。
隈:そうですね。内部向けのものが
外に露出してたものなんですけど、
通常こういうところまで
今回の作品の中では踏み込まないですが
まあ、露出していたので撮らざるをえないというか。
な:なるほど。
隈:ほんというとね。
工場の中まで入っていったら
すごい面白い事になってるのは
わかってるんですよ。
な:そこまでいくと収拾が・・・・
隈:中央市場とか外から見ながら
いいのがあるなっていうのは思ってるんですけどね。
な:でもすごい目で見られそうですよね。
お前なんやねんっていう。
隈:一回入って写真撮ってた事ありますよ。
(この作品のプロット版では、中央市場を含む
区域で撮影をしていました。)
な:ほんとですか。
怒られなかったですか?
隈:怒られはしなかったですね。
なんというか、ささっとやるんで。
な:ああ、私はなんか
昔商店街ですごいいい雰囲気の洋裁をやってる
おばちゃんがいて
写真撮らせてもらえませんか?って声をかけたら
なんでやねん嫌やってめっちゃ怒られた事ありますよ。
隈:w
顔が写るのが嫌だったんじゃないですか?
な:そういうことだったんかな・・
隈:まあね。
顔が写るのを嫌がる人はいますよね。
どんどん写りにいく人もいますけど。
な:まあたしかに。
隈:滋賀県の朽木村の調査してたことがありますけど
ほんとに顔が写るのは嫌がられますからね。
な:朽木まで行ったんですね。
隈:いや、あの
この作品がらみじゃなくて
別の活動でですけど。
な:なるほど、学舎のあたりですね。
(京都精華大学は朽木に学舎を持っています)
隈:次にいきます。
「駐車ご遠慮ください」というのがありまして・・・
ちょっとぶれてるんですけどね。
ぶれてるのは、だいたい
明け方にやってたんですよ。
あんまり人通りがない時間帯というか。
だからあたりが暗いので
ちょっとぶれている写真もあるんですよ。
でも、まあそれは目をつぶっていただくとして
な:はい。
隈:なぜこんなどこにでもありそうな物を
ピックアップしているのかというと・・・
近づくと
ちっちゃい字で
「ありがとうございます」って左下に・・・
な:こわいこわいこわい!
これテプラ?
隈:これは、テプラではない気がしますよね。
な:こんなに字詰まらないしね。
え、こわいこわいこわい!
隈:これ、なんなのかわかんないですけど。
な:こわいっすねこれ。
隈:似たような事例と言えるかどうかはわかりませんが、
コンビニのトイレとかに
「いつもきれいにご使用いただきありがとうございます」
とかそういうのはありますよね。
な:ああ。
隈:それなのかなと。
僕には、そこまでしか想像力が働かないですけど。
な:にしても、控えめすぎるっていう。
隈:謎ですよね。
な :きもちわるい。こわーい。
なんかわかんないですけど、
宗教っぽく感じてしまう。
隈:ああ。
えっと、こないだの林丈二さんも
鳥居を集められているというのを出しましたけど、
ちょっと待ってくださいね。
(資料を取りにいく)
林丈二さんの鳥居・・・
あった。
けっこうこれとかこういうものとかが、
なんで収集対象としての魅力があるかというと
このマークは主に立ち小便を禁止するマークとして
使われています。
つまり、神聖なものだから
おしっこをそこにかけるなと。
そういうメッセージなんですけど
これが形骸化してて
まったく神聖なものとして扱われていないんですね。
な:うんうん。
隈:そういうのを「おざなり鳥居」というふうに
呼んでますけどね。
こういう事例が結構あって
その中の一つですね。
鳥居の絵はどれも結構味わい深いっていうか
正確に書こうとする意思があまりないっていうか
適当にクロスさせといたらいいやろうっていうのが
すごい多いんですよね。
な:うんうん。
隈:それは、もともとの意味から外れてしまったのに
使われているパターンなのかなって。
そういうのがありまして。
次が・・・
ついに来たっていう感じですけど
な:はい。
隈:これが良い・・・っていうか
僕は、これ専門の人になってもいいんじゃないかなって
思ってるんですけど
な:うんうんw
隈:いや・・・
これと虎柄テープの2本軸くらいでもいいかもしれないですけどね。
な:はい。
隈:インクジェットプリンターというのが普及しましたと。
インクジェットプリンターを使って貼紙を書かれる人が
増えてきたんですけれども
インクジェットプリンターっていうのは、
A4サイズのものとかだと
だいたい染料インクが使われていて
染料インクっていうのは、にじんじゃうんですよね。
それを気づかずにこういうものを作って
ラミネートをかけているんだけれど、
水がしみ込んでしまって
・・・たぶんこれね
パンチ穴から水がしみ込んできたと思うんです。
な:絶対そうですよね。
隈:ここからこうなってますけどね。
な:盲点ですよね。
隈:これの解決方法っていうのが実はあって、
あとから出てくると思いますけどね。
な:はいはい。
隈:パンチ穴から水が入ってきてしまってにじんでしまっていると。
これは放置されていますが、
こういうのがすごくいいなと思っていて、
偶然すごくきれいになっているのとかあって
いいんです。
な:はい。
隈:これを見てわかる事は、
たぶん、これはエプソンのプリンターなんだろうなと
推測する事ができるんです、
な:なぜ!?
隈:なぜかというと
キヤノンのプリンターは
黒だけ顔料インクになっている機種(エントリーモデルでも)が
多いんですね。
な:なるほどー!
隈:だから、赤字だけにじんでいるというケースもあります。
な:なるほど。
隈:これは両方にじんでいるんで
エプソンだと思う。
ちなみに、これの支持体となっている紙は
おそらく普通紙
な :そうですね。
隈:いわゆるエプソンでいうところの
スーパーファイン紙だとかフォトマット紙
写真用紙エントリー(光沢)あたりの紙がありますけど
スーパーファイン紙以降になってくると
インクがしみ込みやすく(にじみにくく)なっていうので
多少かけてもあんまりにじまないんですよ。
これ気になって普通紙とスーパーファイン紙とか
フォトマット紙とかに印刷して
水をかけて試してみたんですけど
スーパーファイン紙とかだと
わりと水をかけても結構平気なんですよね。
こんなふうにはならないです。
な :うんうん。
隈:だから、そこらへんにあるもので
つくっちゃうとこういう事になるでっていう。
な:そうですよね。
これが、アスクルなのかどこの紙なのか
わかれば完璧ですね。
隈:完璧ですけどねw
そこまでは至っていないと。
な:いやもう十分ですよ。
隈:ちなみに、ようやく言えるんですが
この背景は毎回変わってますけど
僕の作品の『涙の水平線』の写真を
普通紙に印刷して
水につけて置いておいたものを
スキャニングして拡大して
背景につかっているんです。
な:なるほど。
隈:黄色っぽいのが表面で、紫っぽいのが裏面です。
っていうにじみつながりで背景を全部そうしました。
これ、重要なんだとね。
な :にじみに詳しいな。と
にじみのプロ。
にじみ師?
隈:にじみ師ってなんや・・
な:にじませ師とか。
隈:なんて言ったらいんですかね。
こう・・・知ってたらやらないじゃないですか。
こういうことは
だから、ワードとかで作ったやつは
にじんでる事が多いですよね。
なんか。
それもさっきの看板屋の書いた注意書きで
赤い字だけ消えちゃってるっていうことが
ありましたけどそれに近いのかなと思います。
な:うん。
隈:それの現代版というか
家庭用プリンタ普及以降に現れてきたものなので
いいなと思って。
な:これ一枚でそんな深い思考を巡らせているなんて
作った本人もついぞ知らないと思いますけど。
隈:ちなみにこの人駐車場無内に
犬を連れてきたら罰金10万円もらうぞっていう
むちゃくちゃな事を書いてますけどねw
な:そうですよね。
これ・・でも
「犬の散歩(糞)」って書いてあるから
隈:糞害がダメっていうことですよね。
な:入っただけでだめなのか。糞が嫌なのか。
隈:入ったらそれで、糞をする可能性があるから
可能性から閉ざしていくと。
な:文の切れ目なのに読点って
隈:句読点もだいたいおかしいですけどね。
句読点おかしいの多いですよね。
まあ、
言うまでもないですけど
こういうものは基本的には脅しですから
法律的な根拠はないんですね。
な:そうですね。
隈:それでも書いちゃうっていうのが(おもしろいっていうか)
その脅しから貼紙主の怒りを読み取って
おもしろがるっていう最悪な事をしているわけですがね。
な:まあまあ・・
隈:性格が悪いというか。
な:自分で言うてしまってるやん。
いや、まあまあ。
みんな面白いと思って見ていると思いますよ。
10万円ってなんでしょうね。
結構多いですよね。
あと1万円ってういうのも。
隈:そうですね。
駐車場も10万円が多いですね。
あの僕が見つけた中で
最安が5000円っていうのがあって
な:ひかえめですね。
隈:普通の違法駐車(の罰金)よりも安いっていう・・・
どうしても駐車場がなかったらそこに
停めればいいのかな(っていうレベル)
つぎ、ですね。
これは一応手書きシリーズにしたかったんだと思うんですが
ばらけてしまってまったく残念ですが。
「汚水を流さないで下さい お願い お願い」
っていうの。
な:はい。
隈:「お願い」がかわいいですね。
これどういう状況なのかわかんないんですね。
な:これはなんかあれなんじゃないですかね。
酔っぱらって小便をしたとか
そういうことなんじゃないですかね。
隈:それを汚水って言うのかな・・
な:わかんないですね。
隈:これは、四条通に面している建物のすぐ脇で
縦の通りがなんだったのかぱっとは思い出せないんですけど・・・
な:ていうかこれ、写真見たらだいたいどこの場所だったか
すぐに思い出せるんですか?
隈:思い出せる物もありますけど。
だいたいはいけましたね。
でも、今はぼちぼち忘れてきてます。
な:ああ・・
隈:直後は覚えていたけど。
っていうのは、なんで覚えてるかっていうのは
あとあとの説明にでてきます。
まあ・・・繰り返しているからという事なんですけどね。
な:うんうん。
隈:これ、何でしょうね。
店舗の脇なので
汚水を流す可能性があるとしたらここの
店舗の人なんですよ。
な:そうですよね。
隈:というふうに考えたら
これは誰が貼ったんだろうって
な:確かに・・・
(part4に続きます)