part4『見えないステータスをカウントするゲーム』
ブックアート作品『注意!-京都貼紙地図-』を紹介するUstreamの
放送内容をテキスト化したものです。
vol.4 part4では、
貼紙に興味を持ち始めた原点である
「中居くんのポスター」の紹介と
範囲内の全ての貼紙を集めるという行為が、
ただ漫然と行われた訳ではなく
隠れステータスをカウントする形で
きわめて内向的な興奮を伴った行為だったということ。
そして、それは条件を限定する事で
より鮮明になるということなどの話をしています。
貼紙に興味を持ち始めた原点である
「中居くんのポスター」の紹介と
範囲内の全ての貼紙を集めるという行為が、
ただ漫然と行われた訳ではなく
隠れステータスをカウントする形で
きわめて内向的な興奮を伴った行為だったということ。
そして、それは条件を限定する事で
より鮮明になるということなどの話をしています。
出演
KUMAUHEIWORKS(以下:隈)画面左下
なんしーさん(以下:な)声の出演
な:というか、11時過ぎましたね。
大丈夫ですか?
隈:ほんとだ…
今日紹介しようとしていた写真が
240枚あって
今50枚くらい…
な:終わらないよ。そんなの!
オールナイトパーティじゃないですか。
隈:困りましたね。
な:困りましたねー。
どうしますかね。
隈:私明日、朝から
免許の更新に行かなきゃならないんです。
な:知らないよ!
これ
このペースでいくと
そりゃ終わんないわっていう
話ですよ。
隈:そうですよね。
なんか、こんなんとかあるんですけどね…
な:とりあえず今日
なんかジャンルがあるじゃないですか。
その紹介しようとしていたジャンルは
一通り紹介できた感じですか?
隈:ジャンルを網羅する事に…
な:意味はない?
隈:いや…まあまああります。
うーん…
な:ゴールを設定しないと果てしないですね。
隈:案外これって重要な気もします。
な:ほうほう。240全部いく?
隈:あの…なんて言ったら良いのかな
今までって
なんで今まで自分が陰鬱としていたかとか
解決する為にはどうすればいいのかっていう
方法を考えていったとか
そういう話ばっかりで…
それだけだと、機械的にルールにのっとって
こなしましたという側面が見えすぎているんですね。
この(作品をつくる)行為自体が。
な:うんうん。
隈:(そういうふうに見えるけど)
個人的にはテンション上がってたんやでっていうところを
なんか、ちゃんと伝えた方がいいのかって思ってて。
な:240枚は、卒制で使った写真全てですか?
隈:違います。
卒制で使った写真全ては、
7000枚くらいですね。
な:wなるほど。
隈:だから、ごくごく一部なんですよ。
な:なるほど。
すごいなあ・・・
むちゃくちゃやなあ。
そっかじゃあ7000枚の中から選別したという事なんですね。
隈:そうです。
な:にしても、240枚すごいなあ。
隈:だからどうしようかなって思って。
来週も…来週じゃないわ
次回も続きやりますかね…
な:次回もやりますか?
隈:いつ終わるんだってなりますけどね…
な:次回も続く感じにします?
隈:じゃあ次回でこのパートは終わる感じにしましょう。
(50枚ほど紹介できるという事がわかったので)さらにしぼっておいて。
な:了解です。
隈:でも、次回調子のってやっても
今日で言い尽くしてたからすごい消化試合みたいに
なったりして…
な:今日、それはまた後で言うんですけどね
みたいなフリがいくつかあるから
それを次回 回収するって言う事で…
隈:なるほどね。
そうですね。
じゃあまあそういう感じでいきましょうかね。
な:はい。
隈:ちなみにちょっと
昔話ではないですけど、
この写真が…ちょっと見えづらいかもしれないですけど
見えてますか?
な:見えてます。はい。
隈:結構これが
街にある貼紙を撮ることになった
原点的な物で
これ、なにか判別できますか?
な:…中居君?
隈:そうそう。
これ中居君なんですけど。
これは、九条通の工務店かなにかに
ずっとこのポスターが貼ってあって
子供のときからずっと貼ってあったんですよ。
中学生のときも高校生のときも
ずっと貼ってあって、
この写真は最近撮ったものなんですけど
いまでも貼り続けられていて
昔はもうちょっと
ちゃんと見えていたものが
だんだん薄くなってって
中居君かどうかも
わかるようなわからないようなっていうくらいにまで
なっているけど
ずっとここに貼ってあるんです。
な:うんうん。
隈:そうやって
紙に印刷されたものが意味を失っていきながらも
そこにずっと残り続けているっていうことに
興味をもったんですね。
それと大事なところが抜けている標語の立て看板とかが
街の中にあって
それが同じものに見えたんですね。
中居君のポスターと
麻薬をやめさせたいけど、何をやめさせたいのか
わからなくなっている標語が
そういう原点的なものがこれなんです。
な:うんうん。
隈:そこから始まったという話です。
な:なるほど。
隈:あと、もう一つ画像を上げていましたね。
直前にtwitterに上げたものなんですけど
「この看板を倒すな」って書いてあるやつですね。
これも地元にずっとあるものですね。
ただ、最近なくなっちゃったんですがね。
な:あら…
隈:「この看板を倒スナ
器物破損容疑
で警察に通報済
防犯カメラ作動中」
って書いてあるんですね。
な:うん。
隈:ほんとにこれは本末転倒っていうか。
な:うんうん。
隈:最初は駐車禁止って書いてあったと思うんです。
駐車禁止のフォーマットですよね。枠が。
な:うん。
隈:しかし、これが倒されるっていうことに
怒っちゃってもとの文字は完全に見えなくなっていて
この看板を倒すなっていう文字だけが見えるようになっていて、
これは、中居君の応用版っていうか。
別にもとの“内容”はどうでもよくなってって
ここにこれがあるって言う事自体が
大事になってきている。
な:うん、
隈:そういう変な状態が生まれてて
「劣化」と「怒り」っていうものが
貼紙をみるとその経緯とかを想像できるので
面白い素材だなと思ってたっていう事ですよね。
という感じで。
な:なるほど。
隈:まあ・・そんな感じですけど・・・
な:はい。
隈:いつも思うんですけど
終わるのへたくそですよね。
な:そうですよね。
隈:始まるのと終わるのが。
な:始まりと終わりの良いアイデアがあれば
募集したいですね。
隈:ほんとは、定型的なものが入ると
終わりやすいんですけどね。
な:でもなんか
一応同じ終わり方してますけど
隈:そうですね。
言う事は同じなんですけど
終わるタイミングっていうか
あの・・・
友達の家に遊びにいってなかなか帰れないタイプなので
な:ああ・・
オチネタ一個用意しとくしかないんじゃないですかね。
隈:ああ、なるほど・・・
でもどこに着地するか
わからないところがあるじゃないですか。
な:自分で言うてる・・
隈:そういうふうに設計しているからなんですけど。
な:はい。
隈:何なんでしょうね。この終われなさ。
な:まあでも明日もあることやしっていう終わり方ですよね。
いつもは。
隈:そうですよね。
誰かが、早く寝なさいとかって言ったら・・
な:おかん・・・
隈:こないだは、あんまりおもしろくないねっていうコメントで
しゅんってやめましたけどねw
な:そういえばそうでしたね。
隈:そういう感じとか・・・
な:まあでも明日は免許の更新に行かなきゃなんないし
寝なきゃいけないかな。
隈:そうですね。
でも最後にひと盛り上がりあって
終わりたいじゃないですか!
な:まれにいいオチがあって
終わるときがありますよね。
隈:ああ。
なんかないすかね・・・
な:しらないよw
「なんか」ってそれこそ
自分は「何かになれるかも」っていう
自分探しと同じパターンですよ。
隈:いつまでもやっちゃうっていう。
な:そうそう。
こわいですよ。
隈:前回(二週間前)だと
なんかオリンピックの話でもして
ちょっとテンション上がったまま終われたはずなんですよ。
一人だったからやらなかったけど。
な:なるほどw
隈:まだパラリンピックもはじまったばかりですからね。
な:そうですね。
見てないしな・・・
隈:パラリンピックはけっこう面白いですけどね。
なんていうかメカっぽいものが出てきて。
陸上選手でも「ブレードランナー」って呼ばれてた
オスカー・ピストリウス選手とかが
出てたりとか
なんかゴールボールっていうオリンピックにはない
音でボールの位置を判断して防ぐっていうのとかね。
な:うんうん。
隈:昔ゲームボーイアドバンスの末期に
Bit Generationsっていうシリーズがあって
今で言うiPhoneアプリのゲームみたいな簡単なものを
2000円で売るっていうのを任天堂がやってた事があるんですけど
な:うんうん。
隈:その中の一つに「サウンドボヤージャー」っていうソフトが
あって
あの・・その名の通り音をたよりに宇宙船みたいなのを
進めていくんですけど、
ヘッドフォン専用で目をとじてやるゲームなんです。
右の音と左の音とで
ちょうど均衡がとれたところにポイントがあって
そこを通過しなければならないっていうのがあって
な:へええ。面白そう!
隈:なんかそういうのとか思い出しましたよね。
ゴールボールっていうのは
な:ちょっと話がそれるんですけど
小沢健二が・・・
隈:小沢健二さん。
な:ヘップホールで展示をやってたんですよ。
その展示は、写真が何点かと世界を旅したりして撮ったものと
音声っていうだけの展示だったんですけど
写真の上にスピーカーがついていて
ちょうどいい場所に鑑賞者がいかないと
解説音が聞けないようなスピーカーで・・・
隈:あるんですよ まっすぐ音が飛ぶやつがあって
ちょっと外れると全然聞こえなくなるよね。
平面的なスピーカーで。
な:そうそう。
音と写真しかないんですけど
みんなすごい集中力でそれを見ていて
いろんな音・・
オザケンの解説だったり
村とか街の雑音とか
牛が鳴いてる音とか
っていうのが結構おもしろくて・・
そういうのを思い出しました。
隈:それは、音は固定なんですかね?
な:そうですね。音はループになってて
スピーカーの位置は動かないです。
見てる人が各自でちょうどよく音が聞こえる
場所を探し当てて写真を見る。
隈:なるほど。
な:音声が、例えば一分とか三分とか流れているもの聞いて
また別の写真のところにいって
ちょうど良い場所を探すという・・
おもしろかったですよ。
隈:2008年の横トリで
おそらく同じスピーカーを使ってた作品があって
それは、スピーカーは吊るされていて
動く(回転する)んですよ。
そして、その周りには鏡も同じように吊るされていて
鏡もくるくる回る状態になっています。
そして、スピーカーから音が出て
そこから反射して、そのスピーカーの動きと
鏡の動きで
音が聞こえる場所が変化していくんです。
鑑賞者は、鏡の向きを視覚的に確認しながら
音の位置を探すっていう作品があったんです。
な:へええ。おもしろい。
隈:なんか、それの仕組みに対して
意味合いのある音とか表現とかっていうのを
加えたのがその(小沢さんの)作品なのかなって思いましたね。
という今の話を貼紙に例えると・・・
な:はい。
隈:いや、例えられないですね。
音はあんまり関係ないから。
あ、でもなんか
なんやったっけ・・
一回それに近い(感覚の)事があったんです。
・・・思い出した。
震災の直後くらいに東京に行ったんです。
な:はい。
隈:東京に行って修行みたいに
美術館を4件くらい一日で回るっていうのを
(お金がないから)よくやるんですが
な:はい。
隈:その時ついでになにかやろうと思った事があって
それは、「節電中っていう貼紙を探す」っていう事をやったんですけど
非常に難易度が高くて・・・
な:うん。
隈:基本的には、普通に目的を持って
歩いていたからということもあるんですけど、
節電中の貼紙が貼ってあるところは電気がついてないんですよ。
暗くて、見えないんだけれど
そこに貼紙がある。
だから、前々注目できない場所に節電中っていうのがあって
それは、感覚を失った状態で
何かを探すゲームのようにしてやれた
っていうことがあって
全部の貼紙を探すっていうのは
ある種網羅的になっちゃってて
ルールによる縛りとか面白さとか遊戯性とかが
見えづらくなっているんだけれど
なんか条件を付けたら一気に難しくなって
ゲーム化する(ゲームっぽくなる)んです。
な:うん。
隈:この作品がただ貼紙面白いよねっていうところで
終われなかったのは
とても探すっていう行為自体が
ゲームというものとリンクしてしまう感覚があって
そこが、なんか
複雑になってしまった原因なんですね。
な:うん。
隈:網羅する事とゲーム的に何か
魅力があるっていうのは
背反しちゃうっていうか・・
条件(ルール)があるからゲームが成立するという
ところはあるので
さっきのゴールボールとかサウンドボヤージャーとか
っていうところまで話を戻すと
音でしかものが判断できなくなった状態だと
(視覚的な)手がかりがなくなってしまいますよね。
な:うん。
隈:そうしたときに、軸が単純化されるんですね。
自分の動きっていうのが左右に限定される
ボールの位置も左右にしかうごかなくて
後はタイミングだけ。
軸が2方向に限定されるから
そのボールの位置を当てるっていうのが
すごくおもしろくなるんです。
な:うんうん。
隈:節電中っていう
限定された条件で貼紙を探すっていう行為は
けっこうそれに近いものがあって・・
つまりゲーム化するんですが
網羅しようとするとちょっとその
ゲーム性が見えづらくなっているんだけれど
自分の中では
「ライオン2匹目みつけた」とか
「口調がきつくなっていくパターン1例目みつけた」とかっていう
細かいステータスごとに分類した貼紙を
カウントしていっていて
だから、網羅的にただ作業的にやっているように見えても
実は、限定的なルールを設定したときと
同じようなゲーム性を感じながらやっていたんですよね。
どうですかね。こんなところで・・・
な:いいんじゃないですかね!
隈:良いって言わないと終われないって
いうところもありますからね・・
な:・・・(めんどくせえなこいつ)
次回 vol.5に続きます。
配信は、9月15日(土)21時からです。
よろしくお願いします!
なんしーさん(以下:な)声の出演
な:というか、11時過ぎましたね。
大丈夫ですか?
隈:ほんとだ…
今日紹介しようとしていた写真が
240枚あって
今50枚くらい…
な:終わらないよ。そんなの!
オールナイトパーティじゃないですか。
隈:困りましたね。
な:困りましたねー。
どうしますかね。
隈:私明日、朝から
免許の更新に行かなきゃならないんです。
な:知らないよ!
これ
このペースでいくと
そりゃ終わんないわっていう
話ですよ。
隈:そうですよね。
なんか、こんなんとかあるんですけどね…
な:とりあえず今日
なんかジャンルがあるじゃないですか。
その紹介しようとしていたジャンルは
一通り紹介できた感じですか?
隈:ジャンルを網羅する事に…
な:意味はない?
隈:いや…まあまああります。
うーん…
な:ゴールを設定しないと果てしないですね。
隈:案外これって重要な気もします。
な:ほうほう。240全部いく?
隈:あの…なんて言ったら良いのかな
今までって
なんで今まで自分が陰鬱としていたかとか
解決する為にはどうすればいいのかっていう
方法を考えていったとか
そういう話ばっかりで…
それだけだと、機械的にルールにのっとって
こなしましたという側面が見えすぎているんですね。
この(作品をつくる)行為自体が。
な:うんうん。
隈:(そういうふうに見えるけど)
個人的にはテンション上がってたんやでっていうところを
なんか、ちゃんと伝えた方がいいのかって思ってて。
な:240枚は、卒制で使った写真全てですか?
隈:違います。
卒制で使った写真全ては、
7000枚くらいですね。
な:wなるほど。
隈:だから、ごくごく一部なんですよ。
な:なるほど。
すごいなあ・・・
むちゃくちゃやなあ。
そっかじゃあ7000枚の中から選別したという事なんですね。
隈:そうです。
な:にしても、240枚すごいなあ。
隈:だからどうしようかなって思って。
来週も…来週じゃないわ
次回も続きやりますかね…
な:次回もやりますか?
隈:いつ終わるんだってなりますけどね…
な:次回も続く感じにします?
隈:じゃあ次回でこのパートは終わる感じにしましょう。
(50枚ほど紹介できるという事がわかったので)さらにしぼっておいて。
な:了解です。
隈:でも、次回調子のってやっても
今日で言い尽くしてたからすごい消化試合みたいに
なったりして…
な:今日、それはまた後で言うんですけどね
みたいなフリがいくつかあるから
それを次回 回収するって言う事で…
隈:なるほどね。
そうですね。
じゃあまあそういう感じでいきましょうかね。
な:はい。
隈:ちなみにちょっと
昔話ではないですけど、
この写真が…ちょっと見えづらいかもしれないですけど
見えてますか?
な:見えてます。はい。
隈:結構これが
街にある貼紙を撮ることになった
原点的な物で
これ、なにか判別できますか?
な:…中居君?
隈:そうそう。
これ中居君なんですけど。
これは、九条通の工務店かなにかに
ずっとこのポスターが貼ってあって
子供のときからずっと貼ってあったんですよ。
中学生のときも高校生のときも
ずっと貼ってあって、
この写真は最近撮ったものなんですけど
いまでも貼り続けられていて
昔はもうちょっと
ちゃんと見えていたものが
だんだん薄くなってって
中居君かどうかも
わかるようなわからないようなっていうくらいにまで
なっているけど
ずっとここに貼ってあるんです。
な:うんうん。
隈:そうやって
紙に印刷されたものが意味を失っていきながらも
そこにずっと残り続けているっていうことに
興味をもったんですね。
それと大事なところが抜けている標語の立て看板とかが
街の中にあって
それが同じものに見えたんですね。
中居君のポスターと
麻薬をやめさせたいけど、何をやめさせたいのか
わからなくなっている標語が
そういう原点的なものがこれなんです。
な:うんうん。
隈:そこから始まったという話です。
な:なるほど。
隈:あと、もう一つ画像を上げていましたね。
直前にtwitterに上げたものなんですけど
「この看板を倒すな」って書いてあるやつですね。
これも地元にずっとあるものですね。
ただ、最近なくなっちゃったんですがね。
な:あら…
隈:「この看板を倒スナ
器物破損容疑
で警察に通報済
防犯カメラ作動中」
って書いてあるんですね。
な:うん。
隈:ほんとにこれは本末転倒っていうか。
な:うんうん。
隈:最初は駐車禁止って書いてあったと思うんです。
駐車禁止のフォーマットですよね。枠が。
な:うん。
隈:しかし、これが倒されるっていうことに
怒っちゃってもとの文字は完全に見えなくなっていて
この看板を倒すなっていう文字だけが見えるようになっていて、
これは、中居君の応用版っていうか。
別にもとの“内容”はどうでもよくなってって
ここにこれがあるって言う事自体が
大事になってきている。
な:うん、
隈:そういう変な状態が生まれてて
「劣化」と「怒り」っていうものが
貼紙をみるとその経緯とかを想像できるので
面白い素材だなと思ってたっていう事ですよね。
という感じで。
な:なるほど。
隈:まあ・・そんな感じですけど・・・
な:はい。
隈:いつも思うんですけど
終わるのへたくそですよね。
な:そうですよね。
隈:始まるのと終わるのが。
な:始まりと終わりの良いアイデアがあれば
募集したいですね。
隈:ほんとは、定型的なものが入ると
終わりやすいんですけどね。
な:でもなんか
一応同じ終わり方してますけど
隈:そうですね。
言う事は同じなんですけど
終わるタイミングっていうか
あの・・・
友達の家に遊びにいってなかなか帰れないタイプなので
な:ああ・・
オチネタ一個用意しとくしかないんじゃないですかね。
隈:ああ、なるほど・・・
でもどこに着地するか
わからないところがあるじゃないですか。
な:自分で言うてる・・
隈:そういうふうに設計しているからなんですけど。
な:はい。
隈:何なんでしょうね。この終われなさ。
な:まあでも明日もあることやしっていう終わり方ですよね。
いつもは。
隈:そうですよね。
誰かが、早く寝なさいとかって言ったら・・
な:おかん・・・
隈:こないだは、あんまりおもしろくないねっていうコメントで
しゅんってやめましたけどねw
な:そういえばそうでしたね。
隈:そういう感じとか・・・
な:まあでも明日は免許の更新に行かなきゃなんないし
寝なきゃいけないかな。
隈:そうですね。
でも最後にひと盛り上がりあって
終わりたいじゃないですか!
な:まれにいいオチがあって
終わるときがありますよね。
隈:ああ。
なんかないすかね・・・
な:しらないよw
「なんか」ってそれこそ
自分は「何かになれるかも」っていう
自分探しと同じパターンですよ。
隈:いつまでもやっちゃうっていう。
な:そうそう。
こわいですよ。
隈:前回(二週間前)だと
なんかオリンピックの話でもして
ちょっとテンション上がったまま終われたはずなんですよ。
一人だったからやらなかったけど。
な:なるほどw
隈:まだパラリンピックもはじまったばかりですからね。
な:そうですね。
見てないしな・・・
隈:パラリンピックはけっこう面白いですけどね。
なんていうかメカっぽいものが出てきて。
陸上選手でも「ブレードランナー」って呼ばれてた
オスカー・ピストリウス選手とかが
出てたりとか
なんかゴールボールっていうオリンピックにはない
音でボールの位置を判断して防ぐっていうのとかね。
な:うんうん。
隈:昔ゲームボーイアドバンスの末期に
Bit Generationsっていうシリーズがあって
今で言うiPhoneアプリのゲームみたいな簡単なものを
2000円で売るっていうのを任天堂がやってた事があるんですけど
な:うんうん。
隈:その中の一つに「サウンドボヤージャー」っていうソフトが
あって
あの・・その名の通り音をたよりに宇宙船みたいなのを
進めていくんですけど、
ヘッドフォン専用で目をとじてやるゲームなんです。
右の音と左の音とで
ちょうど均衡がとれたところにポイントがあって
そこを通過しなければならないっていうのがあって
な:へええ。面白そう!
隈:なんかそういうのとか思い出しましたよね。
ゴールボールっていうのは
な:ちょっと話がそれるんですけど
小沢健二が・・・
隈:小沢健二さん。
な:ヘップホールで展示をやってたんですよ。
その展示は、写真が何点かと世界を旅したりして撮ったものと
音声っていうだけの展示だったんですけど
写真の上にスピーカーがついていて
ちょうどいい場所に鑑賞者がいかないと
解説音が聞けないようなスピーカーで・・・
隈:あるんですよ まっすぐ音が飛ぶやつがあって
ちょっと外れると全然聞こえなくなるよね。
平面的なスピーカーで。
な:そうそう。
音と写真しかないんですけど
みんなすごい集中力でそれを見ていて
いろんな音・・
オザケンの解説だったり
村とか街の雑音とか
牛が鳴いてる音とか
っていうのが結構おもしろくて・・
そういうのを思い出しました。
隈:それは、音は固定なんですかね?
な:そうですね。音はループになってて
スピーカーの位置は動かないです。
見てる人が各自でちょうどよく音が聞こえる
場所を探し当てて写真を見る。
隈:なるほど。
な:音声が、例えば一分とか三分とか流れているもの聞いて
また別の写真のところにいって
ちょうど良い場所を探すという・・
おもしろかったですよ。
隈:2008年の横トリで
おそらく同じスピーカーを使ってた作品があって
それは、スピーカーは吊るされていて
動く(回転する)んですよ。
そして、その周りには鏡も同じように吊るされていて
鏡もくるくる回る状態になっています。
そして、スピーカーから音が出て
そこから反射して、そのスピーカーの動きと
鏡の動きで
音が聞こえる場所が変化していくんです。
鑑賞者は、鏡の向きを視覚的に確認しながら
音の位置を探すっていう作品があったんです。
な:へええ。おもしろい。
隈:なんか、それの仕組みに対して
意味合いのある音とか表現とかっていうのを
加えたのがその(小沢さんの)作品なのかなって思いましたね。
という今の話を貼紙に例えると・・・
な:はい。
隈:いや、例えられないですね。
音はあんまり関係ないから。
あ、でもなんか
なんやったっけ・・
一回それに近い(感覚の)事があったんです。
・・・思い出した。
震災の直後くらいに東京に行ったんです。
な:はい。
隈:東京に行って修行みたいに
美術館を4件くらい一日で回るっていうのを
(お金がないから)よくやるんですが
な:はい。
隈:その時ついでになにかやろうと思った事があって
それは、「節電中っていう貼紙を探す」っていう事をやったんですけど
非常に難易度が高くて・・・
な:うん。
隈:基本的には、普通に目的を持って
歩いていたからということもあるんですけど、
節電中の貼紙が貼ってあるところは電気がついてないんですよ。
暗くて、見えないんだけれど
そこに貼紙がある。
だから、前々注目できない場所に節電中っていうのがあって
それは、感覚を失った状態で
何かを探すゲームのようにしてやれた
っていうことがあって
全部の貼紙を探すっていうのは
ある種網羅的になっちゃってて
ルールによる縛りとか面白さとか遊戯性とかが
見えづらくなっているんだけれど
なんか条件を付けたら一気に難しくなって
ゲーム化する(ゲームっぽくなる)んです。
な:うん。
隈:この作品がただ貼紙面白いよねっていうところで
終われなかったのは
とても探すっていう行為自体が
ゲームというものとリンクしてしまう感覚があって
そこが、なんか
複雑になってしまった原因なんですね。
な:うん。
隈:網羅する事とゲーム的に何か
魅力があるっていうのは
背反しちゃうっていうか・・
条件(ルール)があるからゲームが成立するという
ところはあるので
さっきのゴールボールとかサウンドボヤージャーとか
っていうところまで話を戻すと
音でしかものが判断できなくなった状態だと
(視覚的な)手がかりがなくなってしまいますよね。
な:うん。
隈:そうしたときに、軸が単純化されるんですね。
自分の動きっていうのが左右に限定される
ボールの位置も左右にしかうごかなくて
後はタイミングだけ。
軸が2方向に限定されるから
そのボールの位置を当てるっていうのが
すごくおもしろくなるんです。
な:うんうん。
隈:節電中っていう
限定された条件で貼紙を探すっていう行為は
けっこうそれに近いものがあって・・
つまりゲーム化するんですが
網羅しようとするとちょっとその
ゲーム性が見えづらくなっているんだけれど
自分の中では
「ライオン2匹目みつけた」とか
「口調がきつくなっていくパターン1例目みつけた」とかっていう
細かいステータスごとに分類した貼紙を
カウントしていっていて
だから、網羅的にただ作業的にやっているように見えても
実は、限定的なルールを設定したときと
同じようなゲーム性を感じながらやっていたんですよね。
どうですかね。こんなところで・・・
な:いいんじゃないですかね!
隈:良いって言わないと終われないって
いうところもありますからね・・
な:・・・(めんどくせえなこいつ)
次回 vol.5に続きます。
配信は、9月15日(土)21時からです。
よろしくお願いします!