2012/07/19

Vol.1 part5『参考にしたブックアートの紹介』

KUMAUHEI WORKS CAUTION!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! vol.1テキスト版
part5 『参考にしたブックアートの紹介』

ブックアート作品『注意!-京都貼紙地図-』を紹介するUstreamの
放送内容をテキスト化したものです。

part5では、作品を制作するにあたって参考にした
本をテーマにした作品を紹介しています。

出演
KUMAUHEIWORKS(以下:隈) 画面左下
なんしーさん(以下:な)声のみ


                              



:今まで紹介していたのは、ISBNがついてて
  普通に本屋さんで並んでいる本です。
  多少絶版になっているものもありますが・・

  次に紹介するのは、
  ブックアートと呼ばれるものです。
  それがどういうものかというと
  これは、西村陽平さんという方の作品ですが 
  なんしーさんこれはご存知ですか?



:なんか見た事ある気がします。

  えっとね・・紙の本があって
  それを焼いてるんですね。陶芸用の釜で。
  そうしたらすごい縮んじゃって
  何分の一かっていう本のぐしょぐしょになったものが
  できあがるという・・

画像で検索したらいろいろ出てくるかなと思うんですが・・

:はい。いっぱい出てきました。

図版が・・あるので、
  ちょっとガサゴソします。
(別の場所にある資料をとりにいく)

はいはい。
  すごい、陶芸の釜に入れてるんや・・

(資料をめくる)

ちょっとね・・
  立ち上がったら、
  急にこの放送が
  ゆるくてもいいんだなっていう
  気持ちになったっていう

今さらですね・・

解き放たれた気分になったっていうか。

勝手に解き放たれないでください。

焼いたらいろんな形になるんですよ。

(資料を見せながら)


  こういうのとか。こういうのとか。

  えーとね。
  上のが雑誌のELLEだったりとか
  焼いたらいろんな形になりましたっていう(二回目)

ふーん。
  どういうふうに焼いているんでしょうね。
  薬液つけてるんじゃなくて

釉薬・・とかはつけてないと
  思います。
  本を釜に入れて焼いてる。
  それは、たぶん
  ノウハウがあると思うんですけど。 
  温度調節をして焼くと
  こんな形ででてくると。燃えなくて。
  もともと文字が書かれていて
  読む為の本なんですけど。
  ・・っていう本の前提を何度も言っていますが・・

うんうん。

焼かれると
  ただの物質になっちゃうんですよね。これ。
  ただの物質になって 
  文字は全部消えちゃってるんですよね。
  だけど本だとわかるっていう。

うんうん。

用途の為に
  本っていう形になったんだけど
  用途を失って
  成れの果てみたいな姿になっても
  本だとわかるし、
  それどころか
  直感的に美しいものだなと思ってしまう。

  現物・・常設で見れるところが
  あるかどうかわからないんですけど
なんか5月までは愛知で展示してたみたいだけど。

僕は、うらわ美術館っていう
  埼玉県にあるアーティストブックとか
  本に関する作品ばっかりを収蔵展示している
  大変奇特な美術館がありまして・・
  そこで一回みたんです。

うんうん。

もう一つは滋賀県の信楽にある 
  陶芸の森美術館っていうところで見ました。
  そこは、陶芸作品を展示しているところなんですが

  ・・さっきの奈良さんの話に関連して言うと
  滞在制作とかしてはった場所ですけど

  陶芸っていう文脈と
  本っていう文脈と両方のところで
  紹介されている作品で
  見た目も面白くて美しいし、
  二重の意味で考えさせられるし
  すごく面白い作品ですね。

  次が、渡辺英司さんという方の作品で
  こういうもので・・


  蝶々が載っている図鑑を
  蝶々の形に一枚一枚切って立ててると

わーすごい。

言ってしまえばそれだけなんですけど・・
  まあ・・面白いですよね。
  本の中に、平面的な昆虫である蝶々とか
  蛾とかがいっぱい並んでて
  これを切り取って立てたら
  蝶々みたいになるんじゃね みたいな。

うんうん

そういうすごく単純だけど強い発想。
  ・・・今いい加減な言葉を口走りましたけど

そうですね。
  単純だけど強い発想・・

とにかく、すごい。
  おもしろくて。
  図鑑を切って、
  さらにそれを図鑑から解き放って
  窓ガラスとかに貼ったりしているんですけどね。


  そうすると、
  同時に図鑑の方には
  蝶々の形が残るんです。
  そして蝶々の形っていうのは・・  
  本の形と似てますよね。

な:うんうん。

本の中に
  蝶々がいっぱいいると思ったら
  本の中に本がいっぱいいた・・みたいな。
  そういう入れ子状になっていて
  本は、情報を閉じ込めているんだけれども
  見開きっていう形自体・・
  焼いても本に見えるっていうこともありましたけど、
  紙の束を綴じているというものを見た時に
  中にはいろいろなものが
  詰まっているんだというイメージを
  僕たちは読み取るじゃないですか。

うんうん。

本があったら、
  中に何かが書かれているんだと。
  何も書かれていない本・・ノートは別ですけど
  っていうのを滅多に目にする事はなくて
  綴じられているものの中には
  何かが入っているという感覚があって
  本と似ている蝶々が
  解き放たれているみたいなイメージが
  すごい面白いなっていう作品ですね。

はい。

本というのが、
  粘土板みたいなところから変化していって
  紙になって、
  これからどんどん

  (読む為のメディアは)
  変わっていくでしょうね
  っていう段階ですけど
  本(紙)って
  メディアとしては歴史が長い方なんですよ。
  だから、その中で
  僕たちが本っていう形のものに対して
  抱いているイメージとか
  文章を閉じ込めているっていうイメージに
  アプローチしている作品を見る事によって、
  本に対して今までとは違う視点を
  持っていただければうれしいかなとも思います。

(そして、こういった本の特徴を別の行為の比喩として利用したのが
今作『注意!京都貼紙地図』です。このあたりの説明は、次回以降に!)

ということだったんですが、
今でだいたい2時間やりましたね。

もう2時間か・・

でも最初めっちゃ雑談でしたからね。
一応予定としては、この次あと二つあるんですけどね・・
どうしましょうかね。

まだ紹介したい本が二つあるの?

違います・・。
章があります。

本の歴史を紹介する章があり、
いろんな本を紹介する章があり、

次が自分が子供の頃からいろいろ経験してきたけど
結局絶望的な状況を感じてしまったんですよという章が次の章で

うん。

その次が、デザイン史の説明ですかね。

次回かな・・
  内容が切り替わるから。
  今日は、本関連で・ということにした方が。

・・・じゃあ、
今は上手い事まとまりすぎちゃってるので
次の私は絶望しちゃってますというパートをやって
次に繋げましょう。
はい。

part6に続く)