KUMAUHEI WORKS CAUTION!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! vol.2テキスト版
part3 『わた絶 part2』
ブックアート作品『注意!-京都貼紙地図-』を紹介するUstreamの
放送内容をテキスト化したものです。
vol.2 part3 概要
「エコ」っていうキャッチコピーが横行してて
なんとなく環境に良いことをしなきゃいけないとか
効率の悪いことをしてはいけないと思いすぎることによって
機械のようには動けない(いわば不完全な)自分の行為全てが
間違っているように感じてしまった。
それに加えて
デザインは、多くの人に伝えるための方法をとらなくてはいけない
より効率的に伝わらない可能性があるやり方は
間違いなのではないかという思いが重なって、
新しく何か作ることや
次に自分がやることが
必ず間違っているような感覚に陥ってしまった。
20世紀の前半に
作家重視の考えと機械生産重視の考えが対立しつつも
同時代にふたつの考え方が共存していたことをとっかかりに
“でなければいけない”という感覚から抜け出そうとする。
それでもなかなか考えが変わらないので、
変わらない現実=地元京都のとらえかたを
変えることから始めようとしたのだった。
出演
KUMAUHEIWORKS(以下:隈) 画面左下
なんしーさん(以下:な)声のみ
ともひろくん(以下:と)声のみ
隈:えーっと
私は絶望していたpart2というのが
ありまして
な&と:w
な:嫌なパートやなそれ。
隈:ちょっと緩和するために
後ろの背景をふんわりさせてみたんですがね。
と:なるほど。
な:あんまり変わってないようなきがするけど。
と:ツイートで字が読みにくいって。
隈:ああ、そうですね。
伝わりづらいことは咎められると。
と:視認性がね…
隈:そういうことなんですよね。
な:咎めているわけじゃないと思いますよ…
隈:どっちかっていうと
これ読みにくいんですよ
っていうことなんですけどね。
な:わざとってこと。
…どんどん歪んだ人にしか
見えなくなってくるんだけどw
隈:別に、
可読性がそこまで重要なのだろうか
っていうのは思ってて
な:不親切なUstやな…
隈:スライドを流れに
沿ってわかりやすく作って
いったんですけど
な:はい。
隈:最初は、普通のゴシック体とか
だったんですけど
全部流れを見たときに
こっちに変えたんですけどね。
な:その方が、より
目を凝らして見るかもしれないですね。
隈:だから、
合うか合わないかでしかないんですね。
うん。
(話をもどしますけど)
エコって書いてありますね。
すごくざっくりいうと
近代化して技術が進歩しました。
でも、
実はそれが人間の生活を脅かしています。
っていうのが、エコです。
みたいな話があって
それがすごく嫌なんですよ。
と:kwsk
隈:たびたび言ってますけど
Ustの中でもね。
実効性があるか
体感しづらいからっていうのが
あると思うんですよ。
な:ん?
隈:ごみの分別しましょう
っていう話とかでも
…身近な話だと
京都市の場合、
ある時から分別しなきゃいけなくなりましたよね。
と:あれ、いつだったかな。
隈:分別なきゃいけなくなったんですけど
そんな昔の話じゃないですね。
実施後に京都市が発表したデータで
京都市が処理したごみの量が
減ったっていうのを出してきたんですよ。
でも、それは
分別した分をほかの業者に
委託して処分してて京都市の
焼却場で処分する分は減ったけれど
京都市全体のごみの量は
減ったかどうかわからないとかね。
(出されたデータでは)
どうも、エコっていう言葉は
ごまかしたいときに
イメージいいから
その言葉を使っとくみたいな感じで。
(それにつられて)
小学生が何の意味も分からんと
ペットボトルふた集めてるみたいなね。
な:うん。
隈:あといろんな環境問題があるのに
全部CO2が出るのが悪いんですって
いうところに収束していくのとか…
と:w
隈:でも、どうやったら
CO2なくなるのかよくわからなくて。
なんとなく、なんで納豆のパックとか
洗わなきゃいけないんだろうとか
…プラで捨てる時
洗わないといけないじゃないですか。
な:うん。
隈:なんかそういうのとか…
例えば、隣の人が困るから
っていうのならわかるんです。
ここを汚したら周りの人は困るよなとか
ここが使えなくなったら
次の世代は困るよなーとか
この半径20km以内が
使えない土地になってしまったら
困るよなあっていうことは
体感できるけど
なんかエコっていうキャッチコピーで
言われているものの大半が
こじつけみたいっていうか。
うどんのCMで
もうゆでなくてもいいからエコでしょ
とか言ってるのとか最近ありますよね。
と:流水麺ですかね。
隈:それをエコと言っちゃだめとおもうんです。
と:工場で一括でやってるから
効率的ということはあると思いますが…
隈:そういったところまで
エコっていう言葉を使ってていいのかなって
思うんです。
(個人が)そこまで気にして生きていくのは
嫌じゃないかなって思うんです。
だから、嫌なんだけれども
そういわれたらなんかやってしまうところがあって。
何をしててもあんまり効率的な
行為じゃないなって思うと
なんとなく悪いことをしているような
気がするんですよ。
な:うん。
隈:それは、
さっきの標準化と個人っていう話とも
つながっているかもしれないんですが
デザインに対して
うーんって思っちゃうのは
新しいものを作ることは、
もう何の意味もないんじゃないかって
思っちゃったからなんですよね。
(ともひろくんが何かをうったえている)
ともひろくんがモニタリング用のPCの
電池残量が少なくなってきていることを
なぜかジェスチャーで表現してますねw
と:いや、あんまりしゃべらんほうが
いいかなと思って。
隈:じゃあ、電源をつなぎましょうかね。
(がそごそしている)
ちょっと待たれい!
なんか、いらん話でもしといてください。
と:いらん話…
な:いらん話ね…
(画面途切れる)
隈:ああああああああああっっ
やってしまった…
(間違って配信用PCの電源プラグを抜いてしまい
なんしーさんとのスカイプも途切れる)
ああ、いらん話しといてって言ってたのに
自分がいらんことしてしまった…。
どうしよう…
と:配信用PCの電源を抜きました
ってツイートしとこう。
隈:これ保存やばいんちゃうかなあ
と:わちゃぁ
隈:でもこの(MacOSX)Lionの偉いところは、
終了時のウィンドウを復帰するところで
(OS起動)
と:へええ すごいな万能やな。
これは、かたまってるのねって
誰かが言ってくれたはる。
しばし待たれい。
(なんしーさんとのスカイプつながる)
隈:間違って配信用のPCの電源が切れちゃって
な:ああ。
しばしご歓談くださいって
言っても歓談できないからね。
隈:ソーシャルストリーム上で歓談してください。
な:Lifeだったらうどん食えってなるけどね。
隈:昔ね。
な:昔ね。
隈:もう(テーブルマークは)
スポンサーじゃないのでね。
でもトラブルっていいですよね。
な:完全に個人的なつぶやきばかり書いている
隈:ふう。
と:冷やし中華食べたいですね。
な:そうですねえ。
隈:なに突然冷やし中華?
な:京都人的にはどこの冷やし中華ですか?
と:特に決まったところはないですね…
復旧中って書いてくれたんですね。
な:復帰中って書くといろんな意味になっちゃうから。
隈:なんしーさんの声のレベルだけ高いわ…
な:なんでですか?
そんなでかい声出してないですよ。
残りどれくらいありますか?
隈:今日は残り少ないですよ。11時くらいに
終わると思います。
(画面復帰する)
隈:すみません。復帰しました。
さっきモニタリング用のノートのバッテリーが
少なくなってきてやばいってなって
間違って配信用のPCの線を抜いてしまった
っていうトラブルがありました。
気を取り直してやっていきたいと思います。
というわけで、何事もなかったかのように
続きを始めたいと思います。
新しいことを始めることに何の意味もないように
感じてしまって
次に自分のやっていることが
必ず間違っている状態になってしまって
手詰まりになったんです。
(音が出てないことが報告される。)
…音でてますかね。
な:きこえんってなってますね。
隈:きこえんってなってますか。
どうなってるでしょうね。
(なんしーさんの声だけが聞こえると報告される)
な:(私の)独演会状態になってるw
(設定を操作する)
隈:なおりましたかね。
(今まで音声がちゃんと
配信されてなかったようなので仕切り直す)
隈:というわけでですね。
さっきモニタリング用のノートのバッテリーが
少なくなってきてやばいってなって
間違って配信用のPCの線を抜いてしまった
っていうトラブルがありました。
気を取り直してやっていきたいと思います。
気を取り直してやっていきたいんですが
気を取り直してやるような内容でもなくてですね。
と:絶望part2
隈:次に自分がやってることが必ず間違っている状態に
なってしまって手詰まり感があったんです。
2009年末から2010年の初めくらいに
そんなこんなで何にもできなくなってしまったんですね。
ほんとに何にも出来なくなってしまって…
どう言ったらいいのかな…
ほんとにコンクリートの地面歩けないっていうか
な:えっ
と:えっ
な:どういうこと出れないってこと?
と:もののけ姫?
隈:…まあそういうことです。
(ほんとは富野由悠季監督が
Vガンダムを作っていた時の精神状態のこと。
黒歴史かっというツッコミを期待しての発言)
な:よくわからんけど…
隈:なんかそんなふうになってしまって
まずいと思って解決策を考えたんです。
な:またもやもやもや系の壁紙に
隈:えいや ってしちゃったんですよ。
な:えいや?投げ出すってこと?
隈:だいたいそう。
単純な話なんですけど、
多くの人の
役に立たないっていうことを考えすぎて
自分が犠牲になってしまっては
意味がないというか
自分を追い込むだけの考え方はすぐに
やめようと思ったんです。
だから、人(人間)が何かをやってく
っていうことそのものを
否定したらダメなんやなって思ったんです。
いろんな人の生活の上に成り立ってる
自分の生活を否定してしまうことなので
あんまりいいことがないなと。
そこで、モリスのやったことをもう一度
思い出してみたんです。
モリスがやったことは
大量生産できる時代に
それ以外の方法で
生活の道具を作り出すこともデザインなんだ
ということで、
だからこういう現状でも
僕にも何かできることが
あるんじゃないかと思ったんです。
しかし、そんな状態になってしまったら
こうやって考え方を変えようと思っても
なかなか変わらなかったんですよね。
変わらないのは
目の前の現実が変わらないからだと思ったんです。
まあ、目の前の現実は結局変わらないんです。
簡単には。がんばったら変わると思いますが。
だから、まずは
とらえ方を変えるというところから
リハビリテーションしようと思ったんです。
そして、目の前の現実っていうのは
僕にとっては生まれ変わった京都の街であると
前回のUstシリーズの中でも
話してたことでもあるんですが
(KUMAUHEI WORKS Ustream vol.1参照)
私は、高校を卒業したときに
進路が決まってなかったんですよね。
だから、
不安な日々が始まるのかと思ったんですよね。
だけど、高校が終わったっていうことで
特に何も得てないのに
意外と楽になってしまったということがあったんです。
それは、
高校があまりにも嫌だったからなんですけどね。
でも、やっぱり高校は終わっただけで
何かを得たわけじゃないから
もやもやする状態が続く
っていうのがあって
そのなかで立体作品を
つくっていったんですね。
前に紹介しましたけど
こういうおさるの人形であるとか
おたまじゃくしの人形であるとか
っていうものですけどね。
他にもいろいろありましたけど
こういうのを作っていきましたと。
今回もきっと大学が終わって…
大学が終わってっていうのは
この作品は卒業制作なので
大学が終わる前に考えていたことですけど
大学が終わってなんとなく
楽になるかもしれないけど
きっと高校が終わったときみたいに
またもやもやするはずだと思ったんです。
だから…あの
ぼくはずっと京都にいようと思っていたので
目の前の現実を利用して
何らかの解決策を打たなきゃいけないと思った。
だから京都の街をテーマにして作品を作ろうと思った
っていうのが今日の話ですね。
こんな感じです。
何かありましたでしょうか。
な:そうですね。
なにかありましたかっていう聞き方よ。
隈:w
な:くまの再生プログラムを
赤裸々に公開しすぎてて大丈夫かなと
隈:僕はプライベートなことを
さらすくらいしか能がないっていうか…
な:なんかでも何かが終わるたびに
それが出てしまうっていう予兆がありながらそれを
回避できてるのか…
隈:できてないのか…
な:自分の中にそういう予兆がある時点でなんか
そういう状況をじぶんで作ってるんじゃない?
隈:何回もループしてしまっているっていうか。
たしかにそれはあるかもしれなくて…
なんでしょうね。
弱っていくうちに
考え方がだんだん左寄りになっていくっていうかw
と:w
な:弱ると左寄りなる傾向w
身体的なことなのそれは?
もしくは、逃避かもね。
隈:そういうね。
ともひろくんはなんか?
と:あの(京都市)美術館の(展示)作品に
こんな背景があったなんて…
そら10時間になるわって思いました。
隈:あの場では5分くらいで説明していましたからね。
作品自体は京都のディティールが描かれているので
そこを詰めてくっていう話もできるんですけどね。
それやったらもっとうまい見せ方が
あると思うんですよね。
それこそ次の回に出てくるような
トマソン的な文脈で紹介したりとか
大学の時の同じゼミでは、
コンクリートとかに生えてる草を
まちくさと呼んで図鑑みたいにした先輩とか
やはりますけど。
そういう形にしてもよかったんですけど
いかんせんこういう
(気持ち的ににっちもさっちもいかない)
状況だったので
な:これって、京都をテーマにした作品を
つくるに至ったのって
卒制を作る前のもやもや期だったんですよね。
隈:そうですよね。
な:そして今はそのもやもやが訪れると
想定した時期じゃないですか。
隈:うんうん。
な:これは、卒業したあとのもやもやを
回避するために京都の街をテーマにした
作品を作ったけどこれは完結してないから
もやもやになるはずの時期にまだ続けてるから
うまく回避できてるってこと?
隈:まだ延長してるからその時期は来てないんです。
な:これやってるから。
これやってるからまだきてない?
これ終わったらまた来るかもしれない?
隈:また来るかもしれない。
な:ずっとやったらいいやん。これ。
Ustをずっとやれってことじゃなくて
京都の街をテーマにみたいなことを
ライフワークにすればもやもや期は訪れない
もしくは、これでもやもやになるみたいな。
隈:そうですよね。
それと生活するための収入とかっていう
兼ね合い…
うん…
な:タモリ的なポジションになれればね…
隈:でも京都はあんまり坂道がないから…
と:高低差がね。
でも川を埋めたあととかね。
隈:暗渠ね。
うん。暗渠は最近すごく注目してて
壬生川の暗渠とか堀川の暗渠とかね。
最近よく見てます。
な:あんきょってなんなん?
隈:川を埋め立てたあとの道のことですね。
な:へえええ
隈:独特の曲線を描いているっていうか。
暗渠はいいと思います。
な:それを説明なしにすぐに理解できるところが
ふたりの関係性を感じますね。
と:僕は小学生の時の夏休みの自由研究で
暗渠について調べました。
隈:すすんでるなー小学生…
貼紙文脈で、そのあとトラ柄テープ…
黄色と黒のテープで工事現場とかに貼られてる…
角とかにね。
と:危ないから。
隈:道の真ん中に立ってるポールとかに
巻いてあって。だいたい汚く巻いてあるから
いいなと思っていて。
と:w
隈:暗渠ってなんかグネグネしてるから
変なところにマンホールとかがあって
歩道と車道と隔てるブロックが変な形になってて
車やら自転車やらが
当たったらいけないっていうんで
トラ柄テープが
いろんなところに貼られているんですね。
なんかこれはもうちょっと
ちゃんとならへんかったんかなって
と:うーん
隈:トラ柄テープを探してたら
暗渠に行きついたっていうところはありますね。
京都にいると区画整理された街なので…
と:計画都市
隈:東京とかと全然違ってて
わりと建物とか古いの残ってて面白いっていうのは
あるかもしれないですけど
なんか道がわりと単調じゃないですか。
そのなかで変化がドラスティックに現れるところが
暗渠なんです。
あと、僕がちょうど京都サウス側にいるので
感じることなんですけど。
平安京とその外側の境目のところは
どの筋もちょっとした坂になってるんです。
な:ふーん
と:ああ
隈:そのあたりを見るのは面白いですね。
ともひろくんはまた後で見にいったらいいと
思いますけど。
と:なるほど。
隈:今日は、なんかまとまりないですね。
な:最後にわかればいいんじゃないですかね。
全部見て。
隈:なるほど…
(いや、僕自身がそういうふうに
全体を校正してるんだけどね)
そうですね。
今日の話は、わりと話としてぐにょぐにょしてる
っていうか
この問いに対してきっぱり明確に答えられない
ところがあるじゃないですか。
な:うん。
隈:なんかこのへんのこととか
数の問題とか。
これに対して一つのこたえとして…
人間の認識できる単位っていうのは
150人くらいっていうのがあって
他の動物の群れの大きさと
脳の大きさなんかを比較して
割り出されたものだと思うんですけど
人間が認識できる最大の数はそれくらいで
いろんなメディアとかをつかうと
もっとそれは拡張されているとは思うんですけど。
何人につたわるのが良いことなのかっていうのを
考えたときにこれくらいの人数が適切なんじゃないのか
っていうことがいえるかもしれません。
な:1学年くらいかな。
隈:そうですね。場所によるとは思いますけど。
というようなことを考えたりとか
と:わりと実家が工芸側なんですが
隈:そうですね。
と:まあ、手作りはひどいことになってますね…
隈:手作りがひどいことになってる。
と:儲からないから…
隈:そうですね実際問題。
と:手作りがいいですよね
って言ってたはずの呉服屋さんとかも
割と最近インクジェット着物扱ってたりとかね。
隈:まあね…印刷ですもんね。
と:うーん。
でも、そうすることでメイドイン京都を謳えると。
な:京都でつくってるだけだけどね。
隈:はい…
な:この話ってこれから3時間くらいつづくんじゃ…
隈:きょうのところは内容が内容なだけに
長く続けてもあんまりよい方向にいかないんじゃ…
wきりあげようか。
な:だいぶ長くなりましたからね。
—— 次回、2012年8月18日配信予定の
KUMAUHEI WORKS Ustream CAUTION !!!!!!!!!!!!!!!!!!!vol.3に
続きます。
次回は、いよいよ路上観察学会や今和次郎の考現学について
語ります。
これまで、話してきた作品を作る動機から
作品の内容に言及していきます!!!